便秘の原因と対策方法を検証してみる

便秘には定義がありません。何日間、便が出なければ便秘とみなすのか、人によって個人差があります。消化器専門医の間では、2~3日に一度排便があり、とくに症状がなければ、便秘とは言わないという共通見解があるようです。

しかし、1週間に一度も便が出ないようになると、便秘だといわれます。

1 便秘には「常習性便秘」と「症候性便秘」の2種類がある

1-1 常習性便秘

便秘には2種類の原因があります。ひとつは生活習慣の乱れに起因するもの。もうひとつは病気よるものです。前者を常習性便秘といい、後者を症候性便秘といいます。

生活習慣の乱れやストレスの影響よっておこる常習性便秘が、一般に便秘と呼ばれています。

(1)食生活に起因するもの

まず食生活に起因するものでは、朝食をとらないことに問題があります。

普通食べ物が胃に入ると、消化・吸収のため、食べ物を腸に送り出そうという指令が脳から出されます。

その結果、胃・結腸反射に刺激を受けて腸の蠕動運動(大蠕動)がおこり、排便につながります。

ところが、朝食をとらないと、胃・結腸反射がおこらず、排便につながりません。

大蠕動は日に数回おこりますが、もっとも強く起こるのが朝なのですが、朝食をとらない生活が続くと、胃・結腸反射が起こりにくくなります。

また朝食をとっていても、炭水化物の量が少なかったり、食事の全体量が少ないと、やはり便秘になりやすくなります。

極端なダイエット(特に、ご飯やパンなどの主食をとらない炭水化物抜きダイエット)や、炭水化物や野菜を食べない偏食も同様に問題があります。

これが引き起こす問題は、十分な植物繊維をとることができず、便のもととなる素材が集まらないことです。

平成27年の国民栄養調査(統計データ)を見ると、20代の女性の1日当たりの食物繊維摂取量は11.8gと、国民全体の平均値14.5gを大きく下回っていることがわかります。

さらに若い女性では、美容の面(水太り)から、水分を避けるという人が増えているようです。

水分が不足すると食物繊維が水分を十分に吸収出来ずに便秘になりやすいです。

(2)生活環境に起因するもの

次に生活環境の乱れでは、朝起きるのがギリギリでトイレに行く時間がなかったり、仕事や家事でトイレに行く間もなく忙しかったりして、便意を我慢し続けた結果、次第に便意がなくなってしまうというケースがあります。

排便のリズムには自立神経が関係しています。自立神経には交換神経と副交感神経の2つがあり、これらがうまく調整されることで、私たち人間は健康でいることができます。

しかし、夜更かしなどで睡眠が不足してくると生活のリズムが狂い始め、自立神経の動きも乱れてしまい、便秘の引き金となるのです。

運動不足も深刻です。特に事務系の仕事に従事している人々は、コンピュータ関係などのデスクワークが中心となります。当然ながら歩く時間も減り、筋力の低下等から腸がうまく働かなくなってしまいます。

1-2 症候性便秘

症候性便秘は、なんらかの病気によって起こる便秘です。したがって、原因になっている病気を治療すれば、便秘も改善されることがほとんどです。

たとえば、大腸ガンやポリープによって腸管の一部が狭くなって便が通過しにくくなっているものは、ガンやポリープを切除することで改善されます。

潰瘍性大腸炎やクローン病は薬による治療が中心ですが、症状によって手術もします。

腸閉塞は、イレウス管という器具を使って治療できることもありますが、緊急手術が必要なこともしばしばあります。

2 便秘の対策はまず医療機関の受診から

 便秘のレベルを判別するには、下剤の使い方などから、おおよその判定ができます。

軽症(下剤の使用が常習化していない)、中等症(すでに下剤がないと排便できない状態)、重症(便意が起こらず排便ができない)、最重症(5年以上下剤の使用があり自力では排便できない)

また、症候性の便秘の疑いがありますから、消化器官(胃や大腸等)の検診も必要です。異常がないのであれば、常習性の便秘と判定されます。

家庭での便秘対策方法としては、軽症状の便秘の方には有効な方法があるのでご紹介いたします。

薬剤を使う場合は、医師の指導のもとに治療をすすめる必要があります。

3 便秘解消に必要なのは、エクササイズ、食生活の見直し、生活習慣の改善

現代人は、相当意識しなければ、慢性的な運動不足から抜け出せません。からだは適当に動かす必要があります。

運動不足で眠ってしまった腸は、エクササイズ(ウォーキングや腹筋運動等)で起こす必要があります。

気持ちのよい排便のために、水分と食物繊維は必須アイテムです。

特に水分は重要です。

フレッシュな野菜や果物で作ったジュースは、水分と食物繊維が同時にとれるすぐれものです。

便秘は生活習慣病のひとつといえます。

夜更かしで睡眠不足となり、朝ぎりぎりに起きて、朝食も取らずに出勤するようでは腸の自律神経が乱れてきます。

この乱れた生活パターンを改善して、快適な排便ができるように心がけたいものです。

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